猫村猴硐
台湾の猫村「猴硐(ホウトン)」に行ってきました。噂どおりの猫の村でした。
台北からの行き方を、台湾が初めての人でもわかるように説明してみます。
台湾猫村への行き方
猫村へは台北から鉄道で1時間
猫村「猴硐」へのアクセスの起点は台北です。台北駅から鉄道の各駅停車で約1時間。台北駅から数えて12個目の猴硐駅で下車します。運賃は片道56台湾ドルです。
駅に掲示されていた路線図です。左のオレンジ色のマーキングが台北、右の枠が猴硐です。
ちなみに、この鉄道(宜蘭線)は、かつて台湾が日本の領土だった頃、台湾総督府が計画して建設したものです。
猫村は日本統治時代に炭鉱の町として栄えました。炭鉱を経営していたのは三井鉱山で、当時の選炭工場の残骸が駅のすぐ横に残っています。
町にはその頃に創立された神社の鳥居が残っています。
今はさしたる産業もない田舎町ですが、台湾鉄道の幹線のひとつ宜蘭線の駅があるため、交通の便は意外によいです。
猴硐への時刻表
猫村「猴硐」駅まで台北から乗り換えなしの一本で行ける電車の時刻表を貼っておきます(2015年2月現在のもの。夜の時間帯は省略しています)。
時刻表の見方
- 左端の欄に「區間車」とある電車は各駅停車です。「莒光」とある電車は急行です。ただし、この区間ではどちらも所要時間はほぼ同じで、なかには各駅停車より遅い急行もあります。
- 発車駅と終点駅の表示で「樹林→蘇澳」などとあるのは、その列車の始発駅と終着駅を示しています。この場合、電車には「蘇澳」行きの表示があります。
- 時刻欄の左側が台北発の時刻で、右側が猴硐着の時刻です。
- 金曜日、土曜日、日曜日は、平日とは一部の電車のダイヤが異なります。
時刻表
台湾の鉄道の切符の買い方
台湾の鉄道切符の買い方を説明します。
有人窓口で「猴硐」と書いたメモを見せれば普通に買えますが、窓口には行列ができていることが多いです。自動販売機で買う方が早いです。
台湾鉄道の自動販売機は、新幹線用、指定席用、一般用の3種類に分かれています。このうち一般用だけがボタン式で、あとの2つはタッチパネル式です。
一般用の自動販売機で各駅停車の切符を買ってみます。
最初にお金を入れます。各駅停車だと猴硐駅まで56台湾ドルなので、それ以上の金額を投入します。投入後、下図の1~4の順(枚数→各駅停車→大人→降車駅)に、ボタンを押します。猫村の駅名は猴硐(ホウトン)です。
指定席の急行「莒光」号に乗車する場合は、上部に「對號列車自動售票機」と書いてあるタッチパネル式の自販機で指定席用チケットを購入します。
電車の乗り方
猴硐駅への電車は、4番ホームに発着します。台湾ではホームを「月台」と言います。「第四月台」の表示のあるホームで電車を待ちます。
4番ホームから、「蘇澳」、「花蓮」、「臺東」のいずれか行きの各駅停車に乗れば、台北から乗り換えなしに猴硐まで行くことができます。
しかし、この日はたまたま猴硐の一駅手前の「瑞芳」止まりの電車がすぐに来たので、なんとなくそれに乗ってしまいました。ちなみに瑞芳は人気の観光スポット九份の最寄り駅です。
平日の午前中の下り列車なので、車内はすいていました。
途中に「暖暖」なんていう名前の駅を見つけました。
1時間弱で瑞芳駅に到着。
目的地の猴硐は瑞芳のひとつ先です。瑞芳と猴硐の間には、宜蘭線のほかに、ローカル線の平渓線が並行して走っています。平渓線は1時間に一本しかないローカル線ですが、このときはたまたま時間が合ったので、瑞芳から平渓線に乗り継ぎました。
平渓線は隣の3番ホームから出ます。同じ3番ホームから別の路線の列車も出ているので、平渓線の終点の「菁桐」行きの電車であることを確認して乗車しました。
平渓線は近年ノスタルジックなローカル鉄道として人気があり、沿線には九份や十分瀑布などの有名観光地もあるため、旅行者で混雑しています。
ひと駅で猴硐に到着です。
猫村猴硐
猴硐駅の改札をでると、さっそく猫が構内を歩いていました。
猴硐駅のまわりは山ばかりです。
猫村は、駅の改札がある反対側の山の斜面にあります。
駅の改札を出ると右手に屋根つきの跨線橋があるので、そこを渡ると猫村は目の前です。
下の地図で、線路の左側にあるのが猫村です。
猫村は、奥行き100m,左右300m程度の小さな集落です。そこに数十匹の猫がいます。村に入ると、左右どちらを見ても猫が目に入ります。
猫村の猫達
猴硐の猫達は、基本的に飼い猫です。ほとんどの猫が首輪をしています。番号札を下げている猫も多く、管理が行き届いています。
猫小屋を作ってもらっている猫もいます。
猫村の猫達を少し紹介します。
どこの国の猫もこういう場所が大好き。
ここの猫は、みな人間から餌をもらって暮らしています。黒猫君は、トラ君の餌を分けてもらいたいようで、トラ君は怒っています。しばしこのまま睨み合いが続きました。
村内には、こんなかんじの猫グッズ店が数店あります。カウンターの上の茶トラの猫は本物です。
観光客向けのカフェや食堂も数件あります。こんなにオシャレな喫茶店もあります。ちなみに、このカフェで飼っているのは猫ではなく大型犬です。
帰りの切符を買おうと駅に戻ったら、自販機の前にも猫が居座っていました。
切符がとれないから、どいてちょーだい。
猫村から台北への帰路
帰路についてはあまり心配いりません。上り方向の電車に乗れば、なんとなく台北まで帰りつけます。山の中の駅とはいえ、所詮は台北の通勤圏内の駅ですから。
わたしはちょうど「樹林」(台北の4つ先の駅)行きの電車に乗れたので、乗り換えなしで台北まで帰りつきました。
猴硐から台北に行く列車の時刻表を貼っておきます。猴硐駅にあったものです。
もしも猴硐から平渓線に乗った場合は、ひとつ先の瑞芳駅が終点なので、そこで台北方面行の電車に乗り継げば帰れます。
なお、猴硐から瑞芳まで路線バスも走っています。1時間に一本程度です。バスで瑞芳に出て台北まで鉄道で帰るというのも面白いかも知れません。猴硐のバス停は、駅前(猫村とは反対側の出口)の通りを左に進み、橋を渡ったところにあります。駅から歩いて数百メートルです。
バス停にあった時刻表の写真を撮ってきました。