女木島の旅
男木島からフェリーで女木島に渡りました。2つの島の間はわずか20分間の短い船旅です。
女木島の景色
女木島は男木島よりもはるかに大きく、家を建てるための平地も十分にある島です。港の前に集落が広がり、細い路地を挟んで家屋が建て込んでいます。
海沿いの家には、強い海風を防ぐための石垣が高く積み上げられています。城の石垣のようです。沖縄の離島の写真でよく見かけるような景色です。
集落をぶらぶら一周してみましたが、猫は見かけませんでした。女木島は猫の島ではないですからね。むしろ、海水浴場などを中心とした観光の島です。島に着く直前にフェリーから見かけた海水浴場に行ってみると、子供連れの海水浴客が賑やかに遊んでいました。
砂浜の前には海の家風の商店がならび、かき氷やカレーライス、焼きそばなどが食べれます。
女木島の港付近には、何やら芸術的なオブジェが並びます。アートで地域振興、というのが瀬戸内の観光政策のひとつでもあります。
気温は35度を超えており、もう汗だくです。自販機で冷たいミネラルウォーターを買うために、港に戻りました。
フェリー埠頭の前に建つ観光案内所内には30席程度の食堂があり、食事ができます。炎天下にもかかわらず、人気のメニューはおでん定食でした。定食と言っても、主食はご飯ではなくうどん。さすがは香川県です。食堂内に缶ビールの自販機もあります。
洞窟と展望台
港の近くの散策はたいした収穫もないまま終わり、次の高松行きフェリーまで1時間近く手持ちぶさたです。
港の案内所で尋ねたら、女木島のおすすめ観光地は「洞窟」だと言われたので、行ってみることにしました。「洞窟」は島の最高地点に近い高台にあり、港から観光客用のバスが出ています。バスのチケットは観光案内所のカウンターで買います。大人往復600円と、近い割には高いですが、他にすることもないので、行ってみることにしました。
夏休みの子供や中国人観光客で満員のバスは、森の中の曲がりくねった道路を上がり、眺めのよい高台に着きました。
かなりボロいですが、ちゃんと走ります。
バスを降りたら更に数十メートル登って徒歩で洞窟の入り口へ。
と、ここで、予想どおりの展開になりました。洞窟の入り口にチケットの自動販売機があり、入場料500円とのこと。入場料のことなど、港の観光案内所ではひとことも言われませんでした。バス代往復600円と言われただけです。
すでに600円を払った以上、あと500円は嫌でも払うだろうという見事なシステムです。東京ではこういうのをタケノコ剥ぎと呼びます。新宿歌舞伎町あたりで。
都市から近い観光地なんて、観光客慣れしているので、こんなもんです。これもまた旅の一興です。
一緒にバスに乗ってきた親子連れがぶーたれていました。親子4人で1500円の想定外の出費。バス代もあわせると3300円の出費ですからね。
で、その出費に見あう価値がこの洞窟にあるかというと、
ありません。
洞窟といっても、自然の鍾乳洞ではありません。
人工の洞窟、つまりトンネルです。山の斜面の岩をくりぬいて掘った、長200メートルほどのトンネルです。自然の神秘の地底湖や、鍾乳石などありません。そのかわりに、天井に手掘りのノミの跡が残っています。
現地の説明によると、約2000年ほど前、太古の人が掘ったものであり、いつ誰が何の目的で掘ったのかわからない謎の洞窟とのことです。海賊が根拠地とするために掘ったとする説が有力とのこと。
なんだか信じられない。
昭和の過疎が始まってから、観光客誘致のために、こっそり掘ったんじゃなかろうか。県から補助金もらってユンボ入れて掘っただろう! いや、そう断定する根拠はゼロなんですが、この手の観光地なんてそんなもんだろう。違うかな。
ひとつ良かったのは、洞窟の中はとても涼しかったこと。エアコンをがんがんに効かせた室内よりも涼しいくらいでした。
洞窟は失敗でしたが、島の最高部から見る眺めは最高でした。さっき歩き回った男木島の全景が見えます。
バスはフェリーの出港時刻に合わせて港に戻ります。
高松へ
女木島から高松港まではわずか20分程度の船旅。朝早く高松をでれば、男木島と女木島でそれぞれ2時間滞在して、午後2時くらいには高松に戻れます。遅い昼食にちょうどよい時間帯です。昼食は港の近くでさぬきうどんを食べました。
高松港へのアクセスや島への行き方については、男木島の旅行記に書いたのでそちらを参照してください。
旅行記は、高松の街の感想に続きます。