東京の下町、谷中のあたりで猫を探してみました。このあたりは、猫の街とも呼ばれるエリアです。今年の春から夏にかけて、自転車で路地裏を走りながら撮影した写真をご紹介します。
東京の下町で猫を探す
東京23区の東の方は、いわゆる下町と呼ばれる庶民的なイメージの街です。谷中のあたりは、軽自動車でも対面通行できない細い路地を挟んで民家が密集しています。
その路地に野良猫やソト飼猫がたくさんいるので、猫の街といわれるようになりました。
鉄道の駅で言うと、JRの西日暮里、日暮里、または、東京メトロの根津、千駄木あたり。このエリアをまとめて「谷根千」(やねせん)と呼ぶこともあるそうです。
ところが、実際に谷根千エリアを猫散歩した人の話を聞くと、猫にあえなかったという体験談がよくあります。そこで実態を確かめるべく、あらためてカメラを持って自転車で東京下町の通称「猫の町」エリアをポタリングしてみました。
日暮里駅から谷中銀座へ
日暮里駅前から西に向かいます。谷中霊園を左手に見て坂を登り、有名な「だんだん坂」、「谷中ぎんざ」を目指します。
途中、だんだん坂の少し手前の右側に、延命院というお寺があります。このお寺の門前には、かなりの確率で茶トラの猫が寝ています。
昼寝のあとは猫式の伸び。
暑い夏の午後は、こうなります。塀が西日を遮るので、ここがベストポジションなのです。
延命院からさらに100メートルほど西に行くと、「だんだん坂」(正式名:夕焼けだんだん)です。ここは定番の記念写真スポット。自撮りのスマホを構えた観光客を必ず見かけます。
数年前は、階段の上または下あたりが猫スポットになっていて、観光客がカメラを構えている光景を何度か見かけました。しかし、最近はこの付近で猫は見かけません。どうしてだろう?
だんだん坂の階段を降りると、谷中銀座の商店街です。
商店街を少し散歩してみましょう
こちらは行列のできる焼き鳥屋です。弁当200円、焼き鳥一本50円、コロッケ30円。さすが下町。焼き鳥は夕方になると一本40円に値下げされます。
ここには猫にあやかった商売をしているお店が2,3あります。ひとつはこのはんこ屋。2500円で猫のイラスト入りのはんこを彫ってくれます。
30分ほどで彫ってくれるそうです。
そして、こちらは猫グッズを集めた雑貨店。猫柄トートバックが1000円程度から。
こちらは、猫焼き屋です。
他にも猫絡みの商売をしているお店があったような気もしますが、あまり印象に残っていません。
この商店街には、古い八百屋や総菜屋など下町ふうの商店もありますが、その一方で、和風喫茶やガラス工房など、今風のおしゃれな店も結構あります。
猫街として紹介されることの多い谷中銀座ですが、実は、この谷中銀座で猫を見かけることは滅多にありません。むかし一度だけ見かけましたが、その子はお店の飼い猫でした。
谷中銀座を離れて、路地裏に猫を探しに行きましょう。
谷中の猫達
谷中銀座から北向きに路地を進むと、隣の西日暮里駅まで10分程度で歩けます。その途中、南泉寺というお寺があります。その境内には、キジ白の猫が住み着いています。
下町エリアはお寺が多いです。散歩中に前を通りかかったら、境内をのぞいてみると、かなりの確率で猫に会えます。
さらに少し日暮里方面に進むと、右手に富士見坂があります。坂の上からはビルの谷間に富士山が見えるそうなので、かなり長い坂ですが時間があればのぼってみましょう。数年前に視界を遮るビルが建ってしまい、今は富士見坂から富士山は見えないそうです。
富士見坂の少し先に児童公園があります。ここも猫スポットです。公園に住み着いているらしいキジ白の猫。
耳の先がカットしてあるので、おそらく、動物愛護NPOによる不妊手術済みの猫と思われます。
猫は自分で「わたしは不妊手術済みです」と申告してくれないので、明確な目印をつけておかないと、重ねて猫に負担をかけることになりかねません。
愛護団体のサイトで説明されているところによると、不妊手術の麻酔が覚めないうちにカットするので、猫はまったく痛くないそうです。
公園の入り口には「ネコへのエサやりはやめましょう」という看板がありました。
公園の横の民家の塀には、用心深げなキジトラ猫がいました。
こちらは民家の前で寝ていたキジトラ。この家の飼い猫のようです。飼い猫はやっぱり無防備ですね。
耳に元気がないのは、寝ぼけているから?
民家の駐車場の白いベンツの下で日差しを避けていたキジトラ猫。コンクリートがひんやり涼しそうです。
この子も耳の先がカットしてありますね。
さらに路地の奥へ
路地にいた猫です。やっと「下町の猫の街」というイメージの写真が撮れました。
路地を行く茶トラの後ろ姿を発見。
追跡しましたが、素早く逃げられました。しっぽの写真のみゲット。
深追いしてみました。
車の下から出てきてくれないので、しばらく近所を巡回してから戻ってきたら、民家の敷地で寝ていました。
さらに細い路地のさきにキジシロ猫を発見。
近づいたら民家の敷地に逃げ込まれましたが、写真はゲットしました。
路地にいた茶トラ。近づいたら逃げられました。
しかし、こちらも写真のみはゲット。あまり本気で逃げる気はなさそうです。
同じ家で、さらにハチワレを発見。目ジカラのある立派な顔立ちです。
ミス谷中にもあえました
鈴つきの赤い首輪をした人懐こい三毛猫を見つけました。
この子は「モモちゃん」という名前で、「ミス谷中」なのだそうです。通行人のおばちゃんが、そう言ってました。
三毛の柄がはっきりしていて、美しいです。
確かに、かなりの美猫です。
この子は、まったく逃げないので、たくさん写真を撮りました。一部のみアップしておきます。
たしかに猫の街だった
谷中銀座あたりの街猫を紹介してきましたが、確かに猫は多いです。やはり日暮里、谷根千は猫スポット、猫の街でした。
ただし、ぶらりと出かけて行っても猫にあえるとは限りません。わたしが今回ご紹介した猫達は、数回訪問して撮りためたものです。
猫密度は高いですが、入り組んだ路地と民家の合間に紛れているので、メインストリートをさらっと通り過ぎてしまうと猫に気が付かない可能性が高いです。
散策用の猫マップを作成しようかとも思ったのですが、このあたりの猫達は個人の飼い猫だったりもするので、居場所をピンポイントで特定するのはやめておきます。
どうぞ、運まかせで、路地の猫探しを楽しんでみてください。思わぬところでばったりと出会えたりしますから。