足立区の猫公園(北千住界隈地域猫散策)

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猫が常時複数いる公園は、地元の猫好きの人の間ではたいてい猫公園と呼ばれます。

ちなみにいまどきの猫公園にいる猫は、たいてい避妊・去勢手術ずみの地域猫(さくらねこ)で、人間からまったく管理されていないいわゆる純然たる野良猫は、都内では徐々に少なくなりつつあります。

猫が猫公園から離れない理由は、毎日ちゃんと餌がもらえるから。地元住民から声をかけられたりしながら、定点住みで穏やかに暮らしています。

足立区の猫公園・地域猫

柳原千草園(北千住)

北千住駅から徒歩圏内の「柳原千草園」は、住宅地にある小さな公園ですが、園内には林や池があり、柳原千草園という庭園風の名称にふさわしい充実した造園です。

周囲は自動車のすれ違いが困難なほど狭い道、そして低層の住宅が密集する、東京のこのエリアとしては典型的な景色です。そのなかに突然現れる水辺と緑。約30年前に、この地にあった製紙工場の跡地が区立公園として整備されました。住宅密集地に不可欠の防災機能も担っているとのこと。

ちなみに最寄りの鉄道駅は東武伊勢崎線の牛田、または京成本線の京成関屋です。

公園内は緑でいっぱい。そして猫さんたち。

みなさん、あまり警戒心もなく、のびのび過ごしているようです。

近隣のお家で餌をもらっている子も混じっているようで、公園で寝そべる猫さんのなかには首輪をしている子もいます。

耳の先がカットしてあるので、みなさん去勢・避妊手術を受けているようです。

ここの猫さんたちは、単独行動タイプが主流のようです。複数でつるんでいる姿は見かけませんでした。

人の通り道でも臆せず座り込んでいます。

この子もちゃんと耳がカットされてます(さくらねこ)。

弘道いこい公園(五反野)

北千住から東武伊勢崎線で2駅、五反野駅から徒歩数分の足立区立「弘道いこい公園」は、ごくごく普通の児童公園です。

柳原千草園のように池や林があるわけではなく、平坦なグラウンドの端っこに少しの木々と遊具とベンチが並ぶ、どこにでもある地域の児童公園です。こんなところに猫がたくさんいるのか…と訝りたくなるくらい普通の公園です。

ここの猫さんは、公園内だけで暮らしているわけではなく、付近一帯を縄張りとしているようです。まさに地域猫。

公園内には雨風や寒暑を避ける場所が乏しいので、自然と行動範囲が広くなったのでしょうか。近所の家の敷地に出張したりもしていますが、餌がもらえるのがこの公園なので、餌やりのボランティアさんが来る時間帯は公園に集合しているようです。

見た感じ親族ではなさそうですが、この3匹はお互いの距離感がかなり近い感じです。

この3匹は関係良好のようですが、公園内にはこのグループと折り合いが悪い子もいるようで、なぜか一匹だけグランドの反対側で寂しそうに過ごしている子もいました。
餌やりの人が公園に来ても、その子だけは食事中の3匹に寄ってこず、遠く離れて悲しそうににゃーにゃー鳴いているだけ(こっちにもごはんください…というアピールだと思われます)。

猫にも不思議な相性の良し悪しがあるんですよね。見た目はどちらも普通の猫なので、人間が見ても猫どうしの相性はまったくわかりません。

別フォーメーション。

ボランティアの方からご飯をもらったあとは、各自の自由行動。

爪とぎとか。

木登りとか。

見るからに登りやすそうな木ですね。

涼しい場所を確保して休憩中。金属のグレーチングはパソコンのCPUの放熱板のように冷却効果がありそうですね。

日が高くなるころには、もっと涼しい場所を探してどこかに避難していきました。

足立区の地域猫政策

足立区も、他の区と同様、地域猫対策には力を入れています。

足立区では、地域猫のボランティアの登録制度なども実施しているようです。「地域猫活動協力員」という呼称で、登録すると区発行の登録証や携帯用バッジ(足立区ロゴ入り」)を交付されます。

区の公式ページによると、

地域猫活動とは、単なる動物愛護の事業や猫擁護論ではなく地域の環境衛生の向上を目指す活動であり、飼い主のいない猫について適切に飼養管理し、ふん尿などの被害対策を講じることにより地域住民から飼い主のいない猫が理解され、人と動物が共生できるまちづくりを目指していく活動です

とのこと。

登録証やバッジの交付は、活動時の他の住民とのトラブルを防止するためでしょうか。

避妊去勢ずみの地域猫であっても、餌やりに反対する住民は当然いらっしゃるわけで、餌やりをしていて怒られる状況も予想されます。

登録ボランティアの方に関しては、餌やりのときに「置き餌」をしないなど、地域環境への影響に配慮した地域猫活動が推奨されているようです。区としては、猫の糞尿対策なども含めて地域猫活動に関わっていくことで、価値観の違う多くの人の理解を得ようと努力しているようです。

都市部における飼い主のいない猫の問題は、猫と人間の共生の問題であるとともに、猫好きと猫嫌いの共生の問題でもあります。

この種のボランティア登録制度は、足立区以外の自治体でも実施されているようで(板橋区、練馬区、世田谷区、川崎市など)、住民どうしのトラブルを減らす意味でも、意義ある施策だと思いました。

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