愛媛県の猫の島「青島」を訪問しました。驚きの猫密度の青島への旅は、3年来の懸案でした。ようやく願いが叶ったので、旅行記を書きます。
青島への行き方・アクセス
この記事では、青島への行き方、アクセス方法について書きます。島の猫たちの様子は別記事にまとめたので、そちらを参照してください。
青島の場所、地図、行き方
青島は、愛媛県大洲市長浜町の沖合13.5kmにある小さな島です。大洲市の長浜港から、一日2往復、フェリー(定期船)があります。
新しい綺麗な船ですが、定員34名の小さな船なので、少し波が高いと欠航します。荒天が多い季節には、3日に1日は欠航するそうです。昨冬は最長連続8日間、欠航したとのこと。
青島への旅を思い立ってから実現まで3年もかかった理由のひとつが、この欠航リスクです。東京から飛行機に乗って愛媛県まで出向いたのにフェリーが欠航では残念すぎます。天候が安定している季節に休暇をとってスケジュールを組むのが難しかったのです。
今回の旅は、天候にも大変恵まれ、気持ちの良い旅となりました。
青島の旅行記
松山から伊予長浜へ
初夏の好天の日、東京から飛行機で松山に飛びました。松山空港は松山市内にあり、市街地へのアクセスは良好です。リムジンバスで空港からJR松山駅まで15分。松山駅からはJR予讃線で大洲市に向かいます。
松山駅とJR予讃線
愛媛県の県庁所在地である松山は人口50万人を超える大都市ですが、JR松山駅は小さな2階建ての駅舎で、昭和の香り漂うレトロな外観です。
改札口は一箇所。自動改札機はなく、木製の改札口に駅員さんが立って改札作業をしています。
跨線橋を渡って3番線へ。予讃線の各駅停車が停車していました。
予讃線は、高松駅から松山駅を経て宇和島駅まで、約300kmの長い路線です。高松から松山までは四国一の幹線鉄道ですが、その先、これから私が乗車する宇和島駅まではローカル線の雰囲気が濃厚になります。
始発の松山を出発するときは座席は半分程度埋まっていましたが、数駅でほとんどの人が降りていきました。ガラガラのまま、単線の線路を進みます。ときおり、対向列車との待ち合わせのために、ひなびた駅に長時間停車します。
途中、向井原駅を出発したところで、線路は左右に分岐します。
左が山廻りの路線、右が海廻りの路線です。伊予長浜駅を通る列車は、右側の海廻りの路線を走ります。
右に瀬戸内海を眺めつつ進みます。伊予長浜駅の3つ手前の下灘駅は、かつて「日本で一番海から近い駅」としてCMのロケなどにも使われました。
約70分で、12番目の駅、伊予長浜に到着です。
伊予長浜駅
伊予長浜駅は三角屋根の小さな駅舎でした。無人駅です。駅前にはポストと自動販売機。そしてトイレがあります。駅付近に商店はありません。
この日の旅程はここ長浜町まです。今夜は民宿に一泊します。青島に渡るのは翌朝です。
長浜の宿の紹介や、長浜の街の様子、買い物ができるスポット、コンビニ、食堂などの情報については、内容が多岐に渡るため記事を分けます。下のリンクから参照してください。
長浜港の場所を確認
翌朝に備えるため、長浜港の乗船場を確認しに行きました。
JRの駅から港までは徒歩2分。駅舎を出たら真っすぐ数十メートル進めば海に突き当たります。ここが猫島の玄関口です。
向かって左側の白い船が定期船「あおしま」です。
青島への船について
青島への定期船「あおしま」(青島海運)は、午前・午後それぞれ一往復です。時刻表・料金表を載せておきます。休日も平日も同じです。
長浜 ⇒ 青島 | 青島停泊 | 青島 ⇒ 長浜 | |
午前便 | 08:00→08:35 | 10分 | 08:45→09:20 |
午後便 | 14:30→15:05 | 70分 | 16:15→16:50 |
- 料金:大人680円、子供340円
- 問い合わせ電話:0893-52-2700
- 所要時間:約35分
午前便は青島に10分間しか停泊しないので、午前便で往復すると猫と遊べません。午前便で青島に渡った人は、ほぼ全員が青島発16時15分発の午後便で戻ってきます。
つまり、旅程としては、
- 午前便で青島に渡って午後便で帰ってくる
- 午後便で往復する
のどちらかです。前者の場合、青島での滞在時間は8時間。後者の場合は70分。前者は長すぎ、後者は短すぎますが、わたしは長すぎる方を選びました。
実際に青島で8時間過ごしてみたところ、
「全然長すぎない。まったく飽きない。」
と感じました。
加えて下記の理由もあるので、これから行かれるなら、午前のフェリーで青島に渡ることをおすすめします。
午後便(第2便)は定員オーバーのリスク大
連絡船「あおしま」の定員は34名ですが、午後便は34名の定員いっぱいまで乗れません。なぜなら、午前便(第1便)で青島に渡った人が午後便(第2便)の復路に乗船してくるため、午後便の復路が定員超過になるおそれがあるからです。
午後便の青島行きの船には午前便で青島に行った人数を差し引いた人数しか乗船できません。たとえば、午前便で青島に渡った人が25人の場合、午後便の青島行きに乗れるのは、
34-25=9人
です。
青島には夜間滞在できる場所(宿泊施設)がなく、一般の観光客が日をまたいで島に留まることができないため、こういうルールになっています。
午後便にはこの制限があるため、土曜日、日曜日や祝日などの休日、ゴールデンウィーク、お盆の連休、夏休み、冬休み期間などの混雑するシーズンには、定員オーバーで乗れないリスクが大きいです。平日なら大丈夫と思いますが、これも確実とは言えません。
遠路はるばる行くなら、朝早くから並んで、午前便で青島に渡る計画を立てることを強くおすすめします。
日帰りするか、1泊2日か
松山から日帰りする場合の旅程
頑張れば、松山から青島までは日帰りできます。
その場合の旅程は下記のとおりです。
- 06:02 松山駅発(JR予讃線)
- 07:17 伊予長浜駅着
- 07:20 チケット発売開始時刻
- 08:00 出航
- 08:35 青島に到着
- 16:15 青島港を出航
- 16:50 長浜港着
- 17:35 伊予長浜駅発
- 18:31 松山駅着
しかし、青島がテレビで紹介されてから観光客が増え、桟橋には朝から行列ができます。週末や連休の時期は、とくに来訪者が増えます。出航40分前に港に行っても、すでに定員いっぱい・・・というリスクがあります。
わたしの旅程(1泊2日)
そこでわたしは前日に長浜町に入り、港に近い民宿に一泊し、翌日、朝早くからフェリー乗り場に並ぶことにしました。
(1日目)
- 松山から予讃線で伊予長浜へ(長浜に一泊)
(2日目)
- 06:30頃 フェリー乗り場に並ぶ
- 07:20 チケット発売開始・乗船
- 08:00 出航
- 08:35 青島に到着
- 16:15 青島港を出航
- 16:50 長浜港着
- 17:35 伊予長浜駅発
- 18:31 松山駅着
長浜の街にホテルはなく、宿は民宿のみです。
民宿の宿泊レポートや長浜町の地図は、こちらの記事を参照してください。長浜町で宿泊して一日過ごすために必要な情報(買い物、飲食など)をまとめてあります。
自動車でのアクセス
長浜港までは車でも行けます。松山自動車道の大洲インターから約20分です。車で行く人のために、駐車場の説明をしておきます。
桟橋の目の前に、乗船客専用の無料駐車場があります。10台分のスペースがありますが、車でやって来る人は結構多いので、休日だと満車の恐れがあります。特に午後便利用の方は、満車リスクが高いです。
ここが満車の場合は、徒歩十数分の公園(地図参照)の駐車場に停めてもよいようです。
なお、コインパーキングの類は一切見かけませんでした。
長浜港から船で青島へ
朝から桟橋に並びます
翌朝は、早朝に民宿をチェックアウトし、チケット発売開始時間より1時間も早い6時半ころに埠頭に行きました。早過ぎるのか、まだ誰も来ていませんでした。わたしはちょっと構えすぎでしょうか。
「こちらに1列になってお並びください」と書いてある看板の横の防波堤に座って、日焼け止めクリームを顔に塗り、朝食のサンドイッチを食べました。
ちなみに、この看板の裏側はこうなっています。
7時を過ぎた頃から、ぼちぼち人が集まってきました。一番前に並んでいるわたしは余裕です。結果的には、この日は定員の6割程度しか席が埋まらず、当日の朝に松山から移動しても十分席がありました。しかし、これはあくまで結果論です。
チケットは船内で買います
乗船券の販売開始時刻と乗船時刻は、
- 午前便は7時20分(出航40分前)から
- 午後便は13時30分(出航1時間前)から
です。
7時30分になると、青島海運の船員さんがやってきて、船に乗るよう指示されました。チケットは船の中で買います。チケットを買う際に乗客名簿に氏名、住所を書き込みます。これは海難事故を想定したルールのようです。
乗客の約半数は中国や香港の方でした。国内では広島、大阪、名古屋、そして東京など各所から観光客が訪れているようです。
いったん船に乗ってチケットを購入すれば、出航までの待ち時間に下船して買い物にいくのは自由です。ただし、出航10分前には船に戻るように指示されます。
フェリー乗り場から一番近い自動販売機は徒歩2分の伊予長浜駅前にあります。夏に行かれる方は、水分補給のためにペットボトルの飲料を多めに持参することをおすすめします。青島の日差しは半端ないです。なお、青島には飲料の自販機はありません。
ちなみに、桟橋からコンビニ(ローソン)までは片道徒歩10分ほどかかります。コンビニでの買い物は、乗船開始前に済ませておく方がよいと思います。
船内のようす
船は小奇麗で、キャビンにはエアコン、水洗トイレもついています。
船の後ろ半分はオープンエアーのデッキになっています。そちらにも椅子があります。
出航前の船内で、わら半紙に印刷した青島での注意事項が配布されます。裏は青島のイラストマップになっています。
この注意事項にもあるとおり、青島では猫への餌やりは禁止されていません。決まった餌やり場所があるので、そこであげるようにしましょう。
青島では猫たちがお出迎え
船は定刻に出航し、青島を目指します。小さい船ですがパワーはあり、大きな曳き波を残して快走します。
青島が見えてきました。この日は風が穏やかで、緑の島影が映り込むほど滑らかな海面です。
約35分の船旅で、青島に到着です。
桟橋では島の住民の方とともに猫が待ち構えていました。
猫の立場としては、船がやって来る、イコール、餌がやって来る、です。お腹を空かせた猫たちがぞくぞく集まってきます。
青島に上陸です。猫三昧の8時間のはじまりです。
次の記事に続きます。
⇒ 青島の猫たち