田代島の旅行記

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仙台から田代島へ

ご注意:
この記事は、わたしの2013年の旅行記です。現在はフェリー乗り場の位置が変更になっています。現時点の情報は、次のページを参照してください。
👉 田代島の情報とアクセス
以下の旅行記は最新情報ではありませんが、震災復興途上の田代島と石巻の状況の記録として、ここに残しておきます。

早朝に仙台から石巻へ

田代島へのフェリーは石巻市の網地島ライン埠頭から出ています。1日に3便(3往復)ありますが、午前中は石巻を9:00に出航する1便だけです。

日帰りで田代島に行く場合は、この午前のフェリーに乗らないと、島で過ごす時間が充分にとれません。

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東京からだと、始発の東北新幹線に乗っても、このフェリーに間に合いません。わたしは前日に東京から仙台に移動して一泊しました。早朝にJRで仙台から石巻に移動して、石巻駅前を8:30に出発する宮城交通の路線バスでフェリー埠頭に向かいました。

仙台のホテルを出たのは朝5時半で、12月の街はまだ真っ暗でした。照明がついていないアーケードを歩いて駅に向かいます。

途中の24時間営業のマクドナルドで朝食を食べました。

//以下、取り消し線の箇所は、この記事の執筆時、つまり東日本大震災によるJR仙石線不通時の旧情報になります。不要な方は飛ばして先を読んでください。

今回はJR仙石線ではなく、東北本線経由の臨時直通快速で石巻に向かいました。
この「臨時直通快速」は、震災による仙石線の不通区間を迂回するためにJRが走らせている臨時の特別列車で、仙台から石巻までを東北本線経由(小牛田からは石巻線)でノンストップで結んでいます。平日の通勤時間帯に朝夕各1往復のみ走っています。

この直通快速は、仙台を6:23に出て、石巻に7:31に到着します。
運賃は、Yahoo路線検索で調べると営業キロ数計算で1280円と表示されるのですが、この特別列車は仙石線の代替として走っているので、仙石線経由と同じ820円で乗車できます。

2両しかない車内はガラガラでした。仙台から石巻は、朝の人の動きとは逆向きのようです。

ノンストップで1時間ほど走り、石巻駅に到着です。

//ここまで旧情報。

ここから追記:仙石線復旧後の情報です(2015/5/30)// 

震災によるJR仙石線の不通区間は、本日(2015/5/30)、4年2ヵ月ぶりに全線復旧しました。

仙台から石巻まで、新しい快速電車「JR仙石東北ライン」が開通し、便利になります。おおむね1時間に一本。仙台・石巻間の最短所要時間は52分です(時刻表はこちら)。

石巻駅前を8時30分に発車するフェリー乗り場行きのバスに乗るには、下図の「仙台発7時24分、石巻着8時18分」の快速列車で石巻に向かうのが良いと思います。

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// ここまで追記

参考:仙台から石巻まで高速バスで行く方法

仙台駅から石巻駅へは、高速バスも走っています。わたしは18切符を持っていたので鉄道を利用しましたが、実は一番便利なのは高速バスだと思います。石巻までの所要時間は約70分。JR線より時間はかかりますが、料金は800円と鉄道より安いです。

高速バスの時刻表は、宮城交通の公式サイトで調べられます。平日なら仙台駅前6:42発、土日休なら仙台駅前6:47発の高速バスに乗れば、フェリー埠頭行きの路線バスに間にあいます。

石巻駅から網地島ライン埠頭へ

石巻の駅舎はこじんまりした三角屋根のメルヘンチックな建物です。駅舎内にコンビニと喫茶店があります。

田代島では食事を調達できないので、駅構内のコンビニで軽食を買っていくことをお勧めします。飲み物は島に自動販売機がありますが、念のため持参したほうがよいかも知れません。

田代島へのフェリーが出航するのは旧北上川に面した「網地島ライン乗船場」です。石巻駅からフェリー乗船場までは、宮城交通の路線バスで移動します。石巻駅8時30分発。埠頭までの所要時間は約10分。片道240円です。料金は降りるときに払います。

上の写真の右端のオレンジ色のひさしの建物が宮城交通バスの案内所です。案内所内にはベンチがあり、バスの待合室になっています。

バスの運賃は車内でも払えますが、時間があれば案内所内の窓口で切符を買っておくこともできます。

時刻表どおりに、「市内」と行先表示したバスが3番のりばにやってきました。乗客はわたしのほかは2人だけでした。

しばらく市内を走ったあと、バスは突然だったぴろい場所にでました。360度、遥か彼方まで一面に雑草が茂っています。

最初は単なる空き地と思って眺めていたのですが、雑草の下にコンクリートの基礎のようなものが隠れていることに気づきました。ここは津波の被災地でした。あまりに広大な空間で、被害の甚大さを感じました。

バスがすいている理由がわかりました。

やがてバスは埠頭に到着します。バスの窓から目の前に船が見えます。埠頭の駐車場にしばらく停車するので、乗り過ごすおそれはないです。

船会社(網地島ライン)のオフィスの建物には乗客のための待合室があります。強力なストーブが部屋を暖めていました。

事前に調べて行ったブログに、「網地島ラインのオフィスで田代島の猫マップをもらえる」と書いてあったのですが、職員の方に尋ねたら「震災のあとはつくっていません」とのことでした。
なんだかすごく場違いなことを言ってしまったようで、恥ずかしい気持ちになりました。

埠頭には田代島を経由して網地島に向かう船(ブルーライナー)が停泊しています。片道1,230円の乗船料は出航してから船内で払います。乗船口に係員はいないので、だまって勝手に乗船して席に座ればOKです。

網地島ライン埠頭から田代島へ

船内は前後2つのキャビンにわかれており、どちらに乗ってもかまいません。前部キャビンに時刻表が掲示してあるので、念の為に帰りの船の時刻を確認しておくとよいと思います。乗り遅れて帰れなくなったら大変ですから。

船の中央にある階段を登ると、オープンエアーの2階席にでます。さすがにこの季節は誰もここには乗っていませんでした。

操舵室です。窓の向うに薄く見える島影が田代島です。

田代島には仁斗田、大泊の2つの集落があり、船は両方の港に寄港します。

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最初に寄港するのは大泊の港です。大泊は小さい集落なので乗り降りする人はあまりいませんでしたが、荷物の積み下ろしがかなりあったようです。

田代島は震災で約130㎝沈下しました。埠頭が海面下に沈んでしまっています。震災後に新しい埠頭が建設されています。

大泊港を出て数分で、仁斗田の港に到着です。仁斗田港も、地震の影響で防波堤が海面スレスレまで沈下しています。

ついに田代島に上陸です。

船は田代島が終点ではなく、人と荷物の積み卸しをしたのち、次の網地島に向けて出港します。

震災前からあった古い埠頭は、地震による地盤沈下で海面スレスレまで下がっています。

港から徒歩で集落に向かいます。仁斗田の集落は、港の奥の斜面に広がっています。複雑に入り組んだ路地を歩くと、想像していたとおり、たくさんの猫に会えました。その様子は、長くなるので別記事にまとめます。

田代島の旅行記 景色と猫たち

田代島の猫の写真を見たい方は、リンク先の記事を参照してください。

帰路: 田代島(大泊港)から石巻へ

帰路は、田代島のもうひとつの集落「大泊」の港からフェリーに乗船しました。2つの集落の間は徒歩で30分以上かかります。途中に有名な猫神社があるので、頑張って歩きました。

大泊の集落は仁斗田より遥かに規模が小さく、港の周囲に十数軒の家がある程度です。

港の設備も仁斗田に比べると簡易で、プレハブの待合室がありましたが、入口は金具で閉じてありました。

もとからあった埠頭は震災による地盤沈下で海面下です。

船は新しく築造した埠頭に接岸します。ここからの乗船者はわたしを含めて4人だけでした。

往路と同様に40分ほどで、旧北上川河口の「網地島ライン」埠頭に到着しました。

フェリー乗り場から石巻市街地へ

さて、問題はここからです。埠頭を経由する路線バスは1日に3本しかなく、次のバスが来るまで約1時間あります。

乗船者のほとんどは、車で来ているようでした。

電話でタクシーを呼んでいる方もいました。ここから石巻の市街地まではタクシーで1,000円程度で行けそうです。

わたしは当初ここで路線バスを待つ計画だったのですが、ぼーと待っていてもしかたないので、市街地まで歩くことにしました。市内の商業地区の端っこまで、所要時間は約40分でした。

埠頭から市街地までの道は旧北上川に沿って。この地区は震災の時に津波に襲われました。沿道には、生々しい被害のあとが残っています。

家屋の残骸です。

波を受けて崩れた家屋と思われます。

北上川沿いの道路脇に、「津波到達高 2011.3.11 東日本大震災」という表示がありました。

津波の高さがわかるように通りかかったバスを写し込んでみました(矢印の高さ)。このあたりは市街地です。街ごと海に飲み込まれる状況だったことがわかります。

フェリー乗り場から石巻駅前まで1時間程度かかりました。正直、ちょっと疲れました。
これから田代島に行かれる方は、電話でタクシーを呼ぶことをおすすめします。石巻市内には流しのタクシーが沢山走っていますが、埠頭のあたりには1台もいません。
タクシー会社の電話番号はフェリー乗り場の事務所で教えてもらえます。

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