等々力渓谷は、東京23区内で唯一の自然の渓谷です。初夏の午後に、散歩に行ってみました。期待していたとおり、猫にも出会えました。
等々力渓谷と谷沢川
世田谷区内の湧水を水源とする谷沢川の流れが武蔵野台を侵食してできた渓谷が、等々力渓谷です。周囲の地面から20~30m下の深い谷の底を、川が流れています。周囲は住宅密集地ですが、等々力渓谷はその急斜面ゆえに宅地造成が不可能で、自然が残されています。
等々力渓谷へのアクセス、行き方
等々力渓谷の最寄り駅は東急大井町線の等々力です。等々力駅から等々力渓谷の入り口までは徒歩2分程度。駅前に、道順を示す案内板があります。
成城石井(スーパーマーケット)の角を入ってすぐの右側に、渓谷に降りる階段があります。
階段を使って茂みの中を降りていくと、約1kmにわたって夏でも涼しい川沿いの遊歩道が続きます。
駐車場は、等々力駅の周囲にいくつかコインパーキングがあります。
無料駐車場はありません。等々力渓谷から階段を上がった等々力不動尊には無料駐車場がありますが、あくまで参拝者用なので、勝手に停めるとご迷惑をおかけすることになります。
等々力渓谷全体の案内図はこちらです。
等々力渓谷は世田谷区立の公園(等々力渓谷公園)として整備されていて、等々力駅はその東の端にあります。不動の滝や等々力不動尊まで歩いて見物し、また等々力駅に戻るというのが典型的な散歩ルートだと思います。
等々力渓谷を散歩
階段を降りると、目の前に赤い橋があります。これが「ゴルフ橋」。かつて等々力渓谷の西側に「等々力ゴルフリンクス」というゴルフ場があったことからついた名前です。
ゴルフ橋の下を過ぎて、渓谷の散歩を楽しみます。
武蔵野台地は水を通さない粘土質の土の上に、関東ローム層が堆積しています。地層の境目を地下水が流れ、切り立った崖から水が湧き落ちています。写真は「不動の滝」です。「滝」と呼ぶにはあまりに水量が少なく、ちょろちょろ流れる程度。昔はもっと湧水量が多かったのかも知れません。
強い日差しの初夏の日でも、渓谷の中はひんやりとして涼しげです。
等々力渓谷の猫たち
事前のネット上の調査で、等々力渓谷に猫が住み着いていることはわかっていました。猫スポットと言うほど多くはないけれど、とりあえず、猫に会えるらしいです。
等々力渓谷入り口の階段付近で出会った猫は2匹。どちらも白キジ猫ですが、顔つきが違います。
一匹は穏やかな目つきの猫。
この子はわりと人懐っこく、誘いをかけると階段まで出てきます。首の下を掻いてやると、気持ちよさそうにグルグルします。
階段の角を使って首筋を掻いているところ。
体を撫ぜても嫌がりません。かなり人に慣れています。
毛並みがよく、体重もかなりあります。
メスのようです。
いっぽう、一緒にいたもう一匹の白キジ猫は、ちょっとヤグされた顔つきをしています。
この子は、ずっと植え込みのなかにいて、誘っても出てきてくれません。厳しい目つきどおりの、警戒心の強い猫です。
餌をあげれば寄ってくるんでしょうが、ここは一応、猫へのエサやり禁止です。
禁止とは言っても、こうやって猫が住み着いているんですから、誰かが餌をやっているんでしょうけどね。栄養状態は非常によいようですし。
渓谷の底なら夏でも涼しいから、暑さに弱い猫でも暮らしやすそうです。