真鍋島の景色と猫たち
真鍋島には2つの集落があります。本州の笠岡港や佐柳島から来るフェリーは、大きい方の集落「本浦」の港(真鍋本浦港)に着きます。そこから、もうひとつの集落「岩坪」までは徒歩で20分ほどです。
猫はどちらの集落にもいるので、猫散策が目的なら両方とも行ってみるべきです。わたしも、当初の予定では、本浦を散策したあと、岩坪まで徒歩で往復するつもりでした。
しかし、岩坪行きは体調が悪く断念しました。
前日の男木島と女木島、そしてこの日の午前中は佐柳島。2日間にわたり直射日光の下を歩き回ったわたしは、日焼けがひどく、ほぼやけど状態。とくにひどいのは腕と首筋。皮膚がチリチリ痛くて、真鍋島についたころには、直射日光下を歩くのはもう無理な状態でした。
本浦では、なるべく直射日光にあたらないよう、集落の細い路地で日陰に入って猫を撮っていました。
なので、この旅行記は、真鍋島の本浦集落のみの記録になります。
真鍋島の景色
わたしは四国の香川県側から佐柳島を経由して真鍋島に渡りました。途中の旅程は別記事にまとめてあります。
まもなく真鍋港に到着です。
真鍋港の桟橋のスロープを登ると、先ほどまでいた佐柳島の鄙びた雰囲気とは違う、夏の観光地の景色が広がります。
日焼けしたサンダル履きの若者の集団が、大声で話しながら歩いています。いわゆる海水浴場の雰囲気です。静かな離島というイメージは上陸と同時に崩れました。
本州から直接来れる観光地って、こんなもんでしょうか。真鍋島で離島の情緒を味わいたいなら、海水浴シーズンを避けて訪問したほうがよさそうです。
佐柳島とは違い、港の待合所には自動販売機があります。文明社会に戻ってきました。かき氷屋や民宿もあります。親子連れやカップルが賑やかです。
さすがは猫の島です。かき氷屋のテーブルの上に、これでもかと言うほど猫よけのペットボトルが置いてあります。これ、あまり効果ないんですけどね。「ネコをのせないでください」の注意書きもありました。
で、猫たちです。気温は35度で、みんなバテバテです。
真鍋小学校・真鍋中学校
真鍋島の観光地といえば真鍋小学校と真鍋中学校。真鍋の集落は海沿いに始まり、山に向かって広がります。学校は、集落の奥、山沿いの高台に位置します。板壁に挟まれた集落の路地を通り、港から徒歩約5分で学校に到着です。
昭和24年に建てられたこの木造校舎は、映画「瀬戸内少年野球団」(昭和59年)のロケ地にも使われました。無断立ち入り禁止の標識が立っていますが、校庭までは入っても大丈夫のようです。学校のホームページによると、現在の児童数は小中学校の全学年をあわせて12名。絵にかいたような離島の学校です。
ここの二宮金次郎は、本を読んでおらず、なぜかカメラ目線です。歩きながら本を読むのは危険で良くないという理由で最近の小学校には二宮金次郎の銅像がないという話を聞いたことがありますが、もしかしたらそういう理由で前を向かせているんだろうか。
真鍋の集落
真鍋の集落は、山と海の間の狭い平地に、木造家屋が建て込んで並んでいます。
板壁に挟まれた通路は、歩行者が通れる広さしかありません。
港に近いところは、観光客のためか石畳で綺麗に舗装してありました。
島の民宿はこんな感じ。家族連れが案内されて入っていきました。
集落の中ほどに神社がありました。明治28年に建立された鳥居には、日清戦争の戦勝記念と書いてあります。明治28年(1895年)は日清戦争が終わった年です。自国の戦勝を素直に喜べるこういう時代もあったんですね。
こちらは日露戦争の戦勝記念碑です。こちらは明治38年頃の建立でしょうか。
真鍋島の猫達
炎天下、多くの猫はどこかに避難してしまっているらしく、それほど多数の猫には会えませんでした。それでも港の近くの路地に、集団でいる猫を発見。
肘掛椅子に座る風情の猫。
子猫もいました。トラのお母さんのお乳に群がる子どもの黒猫たち。猫の柄はこういう風に一見不思議な組み合わせがあるから面白いです。実は遺伝型を見ると不思議でもなんでもなくて、ちゃんと規則性があるんですけど。
海を背景に昼寝する子猫。猫は涼しい場所を知っています。ここは見るからに涼しそうですね。
猫よけペットボトルと猫。猫よけの効果がないことが一見して明らかなのに置いてあるのはどうして?
くつしたネコ。
普通、島に住む猫は、交配の範囲が狭いので同じような柄になりがちです。たとえば愛媛県の青島なら茶系とか、宮城県の田代島ならモノトーン系とか、佐柳島の本浦集落なら白系とか。
ところが、真鍋島の猫たちはずいぶんバラエティーに富んだ色柄をしていて、特定の傾向は感じられません。どうしてかな。もしかしたら本土からここまで猫を捨てに来る人がいるのかな。
集落を散歩する猫。
徒歩20分ほど離れた岩坪集落にも猫がいるらしいのですが、この時点でもうわたしは限界で、さらに炎天下を40分歩いて往復するのはとても無理でした。残念。ほんとうに残念です。
1時間ほどの滞在で、真鍋島を後にしました。
真鍋島への行き方
真鍋島へは、四国側からのアクセス、本州側からのアクセス、どちらも可能です。
それぞれについて、別記事にまとめてありますので、真鍋島への旅行を計画しておられる方は、ぜひ参考にしてください。
◆四国側から佐柳島を経由してのアクセス
◆本州側、岡山県笠岡市からのアクセス