迷子になった猫が戻ってくる「猫返し神社」は、東京都立川市にあります。境内には飼い猫の無事な帰宅を願う絵馬が多数かけられていて、帰ってこなくなった愛猫を心配し、探し方も万策尽きた飼い主の切実な呼びかけが綴られています。
迷い猫が帰る「猫返し神社」
猫返し神社の正式名称は「阿豆佐味天神社」です。別名「立川水天宮」。
1629年(寛永6年)創建の歴史ある神社です。主祭神は少彦名命と天児屋根命で、安産、子授けの神様として知られます。
本殿は、立川市の有形文化財に指定されています。
本殿の右横に、少し離れて、蚕影神社(こかげじんじゃ)のこじんまりした境内社が立っています。蚕影神社は蚕の守り神です。
蚕の天敵はネズミ。そのネズミを捕まえるのが猫。このつながりで、蚕影神社が猫の守り神であるという話になりました。風が吹けば・・・みたいな展開ですけれど、一応、つながってはいます。
ジャズピアニストの山下洋輔さんの飼猫が迷子になったとき、家の周囲を数キロにわたって探しまわったけれど見つからず、途中で通りがかったこの神社を参拝したところ、間もなく猫がひょこっと帰ってきたそうです。その顛末を自著に書き、その話と蚕影神社が結びついて、この神社にお参りすると迷い猫が帰ってくるという都市伝説が生まれました。
蚕影神社の前あたりに、狛犬ならぬ狛猫の石像が鎮座しています。名前は「ただいま猫」と言います。近所の工務店が平成17年に寄贈した石像です。表情が漫画チックなことと、目が赤すぎるのが気になりますけど。
猫返し神社では、猫返し祈願専用の絵馬の奉納を受け付けています。
- どうか無事に帰ってきますように
- いつまでも待ってるよ
- 無事を祈ってます。必ず見つけるよ。待ってて
- また一緒に遊ぼうね
- ごはん用意してるから早く帰って来い
などなど、愛猫の帰りを願う言葉が並びます。
部屋にかざっておきたいような可愛い図柄ですね。
絵馬の受付時間は、午前は10時から12時まで、午後は1時から3時30分までです。
猫返し神社への行き方・アクセス
西武線から行く場合
猫返し神社の最寄り駅は西武鉄道の武蔵砂川駅です。徒歩約15分とやや距離がありますが、玉川上水の側道を歩いていけば、結構たのしく歩けます。
この日はサクラが満開でした。
2つめの橋(こんぴら橋)を右折して玉川上水から離れます。五日市街道にでたら左折。少し先の右側、交番の向かいに立川水天宮の鳥居が見えます。
立川(JR中央線)から行く場合
JR中央線立川駅の北口バスターミナルの1番乗り場から、頻繁にバスがでています。「砂川四番」バス停まで所要時間は十数分。片道240円。バスを降りたら前方に見える信号に向かって歩いてください(徒歩約1分)。
自動車・駐車場
猫返し神社は五日市街道ぞいにあるので、自動車で行くときでもわかりやすいです。砂川四番交番、または砂川郵便局が目印です。神社の隣に参拝者用の30台くらい入る無料駐車場があります。