三渓園は猫の楽園
これまで島猫、公園猫、寺社猫などの写真を紹介してきましたが、今回は「庭園猫」です。
三渓園
横浜の本牧にある三渓園は、明治の実業家・原三渓が自己所有地に造成した広大な庭園です。1906年(明治39)に一般公開されました。現在は横浜市に移管され、神奈川には数少ない本格的な日本庭園として、有料で開放されています。面積は175,000m2。日比谷公園より少し広いです。
今の時期(12月上旬)は、紅葉が見ごろです。
ちなみに、三渓園の季節ごとの見ごろの花は、
- 1月下旬~2月 ツバキ
- 2月中旬~3月中旬 梅
- 3月下旬~4月上旬 桜
- 4月下旬~5月上旬 ツツジ
- 5月~8月 スイレン
- 6月上旬~下旬 あじさい
- 11月中旬~12月上旬 紅葉
とアナウンスされています。
園内には、京都や鎌倉、飛騨などから、重要文化財を含む歴史的建造物が移設されています。
写真の家屋は、紀州徳川家の別荘「巌出御殿」を移設したもので、国指定の重要文化財です。
こちらは、徳川家光が二条城に建てた建物を移設したもの。重要文化財です。
岐阜の白川村から移設した合掌造りの家屋は、中に入って自由に見学できます。
結婚写真の撮影にカメラマン同伴で来ているカップルが数組。好天と紅葉で、きっと最高の写真が撮れたことでしょう。
ほとんどの来園者がデジカメを手に、紅葉を撮影しています。わたしは紅葉より猫さがし。みんなが上を見て歩く中、ひとり道端の茂みをのぞき込んで園内をウロウロします。
三渓園の猫たち
三渓園には、十数匹の猫が住み着いています。公式には飼い猫ではなく、野良猫の扱いですが、民家もないこんなところで元気に暮らせるのは、毎日だれかに餌をもらっているからでしょう。
園内には猫のエサやり禁止の看板はないので、お弁当のおすそ分けに預かっている猫もいるようです。
三渓園の猫スポットは3か所です。正門付近のベンチのあたり、海岸門のあたり、そして三渓園天満宮です。それぞれ数匹の猫が暮らしています。
正門付近の猫たち
正門を入って、池の手前の藤棚のあたりが、最初の猫スポットです。この日は4匹を確認しました。まずはこの3匹。
あと1匹はこの子です。上の写真の猫と似てますが、よーく見ると違いがわかります。
正午ごろの陽の高い時間帯なので、瞳は縦線モードです。
海岸門あたりの猫たち
庭園の奥、中国梅林の手前、海岸門あたりにも、数匹の猫が暮らしています。まずこの4匹。
そして、この子。
冬毛のせいもあるでしょうが、かなり太ってます。
色づいたイチョウを背景に黒猫さんのアップ。
水飲み猫。
もふもふの冬毛でまんまるになった三毛猫さん。一見すると白猫ですが、少しだけオレンジと茶が入っています。
背景に写っている瓦の建物は海岸門です。この門は、京都の西方寺に江戸時代からあったものを移設したのだそうです。海岸門という名称から想像するに、むかしはこのすぐ先が海岸だったのでしょう。今は三渓園の海側は埋め立てられて、本牧の石油コンビナートが広がっています。
三渓園の猫は、人が近づいても気にしません。いじめられたことがないんでしょうね。園内を歩く人たちは、日本庭園や紅葉や文化財を愛でる人たち、そして絵を描きに来る人たち。猫にいじわるする人はいないみたいです。
旧燈明寺本堂あたり
京都の燈明寺からは、本堂と三重の塔が移設されました。三重の塔は、園内のどこからでも見える小山のうえに建っています。本堂は外苑の大池のほとりに建ち、その敷地には茶トラ猫が暮らしています。
ほかの猫たちはみんな集団でいるのに、この子だけはひとりで暮らしています。人懐っこいので、もとは飼い猫と思われます。ここに捨てられたのでしょうか。
三渓園天満宮あたりの猫たち
園内にある神社「三渓園天満宮」の付近も猫スポットです。この日は5匹を確認できました。
神社の狛犬は頭部が欠損しています。戦災の被害でしょうか。その狛犬と同じポーズのキジトラさん。
横顔のアップ。
たぶん上の写真とは違うキジトラさん。
このあたりでは、キジトラばかり5匹の猫が確認できました。
切り株と子猫。
きれいな縞柄と、首の白毛のバランスが絶妙です。
アップその1。
アップその2。こちらを向いてくれました。
木陰に入ったら黒目が大きくなり、かわいさが増しました。日差しが強いと縦線だけになっちゃいますからね。
後頭部もかわいいです。
三渓園での食事、アクセスについて
三渓園での食事
広い園内を何周もして、おなかがすきました。三渓園には3つの食堂があります。いちおう3か所とも覗いて、この店(待春軒)に決めました。
三渓そば(800円)は、三溪園の創設者・原三溪が考案した伝統の味だそうです。汁なしの細麺(うどん)で、味は平凡でしたが、紅葉の庭園に面したテラスで食べれば何を食べても楽しいです。観光地のわりに値段は街のソバ屋と大して変わりません。
その後、薄暗くなるまで猫探しは続いたのでした。
三渓園の猫たちは、恵まれた生活をしていると思います。ここなら自動車に轢かれることはないし、普通の公園みたいに猫をいじめる悪ガキもいません。安心して歩き回れます。民家がないので、猫嫌いの住人に追っ払われることもありません。
そういうわけで、三渓園の猫はおおむね穏やかです。
三渓園のアクセス・行き方
三渓園は陸の孤島的な場所にあり、公共交通機関でのアクセスはバス便になります。横浜駅からのバスは定刻どおりなら35分で三渓園に着きますが、天気の良い週末や祝日、そして紅葉や桜の季節には、バス停での乗り降りができないほど超満員になるので1時間近くかかります。
「横浜駅東口 2番のりば」から
- 《市バス8・148系統》約35分 三溪園入口下車・徒歩5分
- 《ぶらり三溪園BUS》(土・日曜日・祝日限定運行)約45分 三溪園下車(徒歩5分)
「京浜東北線 桜木町駅 2番のりば」から
- 《市バス8・148系統》約25分 三溪園入口下車・徒歩5分
- 《ぶらり三溪園BUS》(土・日曜日・祝日限定運行)約35分 三溪園下車(徒歩5分)
「京浜東北線 根岸駅 1番のりば」から
- 《市バス58・99・101系統》約10分 本牧下車(徒歩10分)
駐車場
駐車場は2時間まで500円。以後30分ごとに100円。一日の上限は1000円。
その他の利用案内
休園日:12月29日、30日、31日
入場料:大人・中学生以上500円、小学生200円
開園時間:9時~17時(入園は16時30分まで)